こんにちは。技術室の福田耕平です。今回は、リノベーションで断熱性能をどこまで高められるかについてお話しさせていただきます。
標準的な断熱改修の内容
断熱性能の向上にどこまで費用をかけ、どこまで改善するかは、私たちも常に試行錯誤を続けているところです。
基本的には、同じ広さの新築と比べて工事費を抑えられるというリノベーションの利点が失われない範囲で、効果の大きい改善を考えています。
断熱の対象になる主な部位は、天井(または屋根)・壁・床・窓です。
リノベーションでは天井・壁・床の内装を撤去するため、天井と床は容易かつ確実に断熱材を新設できます。
天井を残す場合でも、小屋裏から施工できるときは天井の断熱を検討します。
山口県内に多い土塗壁型の住宅の場合、標準的な断熱改修の一例は次のとおりです。
| 部位 | 改修前 | 改修の標準例 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 天井 | 断熱材なし | ロックウール92mmを敷き込み | 施工は容易 |
| 壁 | 土塗壁 | 土塗壁の内側にポリスチレンフォーム30mm | 下地の手間がかかる |
| 床 | 断熱材なし | 根太の間にポリスチレンフォーム45mm | 施工は容易 |
| 窓 | アルミサッシ・単板ガラス | アルミ樹脂複合サッシ(ペアガラス)に入れ替え | 外壁の補修が必要。体感の効果が高い |
天井や床の断熱材は、ご予算に応じて、より厚いものを選ぶこともあります。
土塗壁の壁をなぜ屋内側で断熱するのかは、前の記事でお話ししました。


サッシ交換の効果
築30年以上の住宅に多いシングルガラスの窓は、夏の暑さや冬の結露の原因になります。
既存のアルミサッシ(シングルガラス)を撤去し、アルミ樹脂複合サッシ(ペアガラス)に入れ替えると、真夏や真冬に、工事の前後で明らかな違いを感じていただけます。

サッシ交換の工事費
サッシを入れ替える際には、サッシ周りの外装材の補修や、一部の張替えが必要になります。
そのため、窓の交換は意外と工事費がかかります。
それでも、体感の違いが大きい部分なので、ここに工事費をかける価値はあると考えています。
気密とレンジフード連動の給排気
断熱とあわせて考えたいのが、気密(家の隙間の少なさ)と空気の出入りです。
気密の高い家では、キッチンのレンジフードが強く排気すると、室内の空気が外へ引き出されて負圧(室内の気圧が外より低い状態)になりやすくなります。
I.D.WORKSの新築では、レンジフードのスイッチを入れると、連動して外から空気が入るようにした住まいもあります。
排気と給気の量がつり合うため、室内が負圧になりにくい仕組みです。
これは家全体を換気する仕組みとは別の、キッチンまわりの給排気の話です。
リノベーションでは、どこまで気密を高めるかによって、同じ考え方が必要になる場合があります。

改修で得られる変化
リノベーションの費用の利点を残したまま、新築と同じ水準まで断熱性能を高めるのは、意外と難しいのが実情です。
ただ、元が無断熱の住宅を断熱改修すると、リノベーションの前後で明らかな違いを実感していただけます。
もちろん、費用をかけて断熱性能を優先することも可能です。
性能をどこまで高めるかは、ご予算とのバランスを見ながら一緒に決めていきます。
見学会の開催時には、改修後の室内を体感していただくことも可能です。