バラに囲まれた庭と暮らす森本様邸の一場面

「バラに囲まれた人生を」

INTERVIEW

思い描いた「庭と暮らす人生」を、使いこなして六年目。|M様邸

理想の暮らしがあって、それを汲み取る人がいて、住まいというかたちになった。
そしていま、その住まいは思いきり使いこなされています。引き渡しから丸五年、この家に流れる時間の記録です。

PROFILE

住まいのプロフィール

お住まい山口市・平屋(回廊型・中庭のある家)
ご家族ご夫婦(+大型犬)
お住まいになって5年(取材時)
MOVIE

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STORY

思い描いていた暮らし

——「庭と暮らす」憧れは、いつからあったんですか?

奥様:主人の転勤でアメリカのシアトルについて行ったとき、向こうの人たちのガーデニングライフ——ガーデニングが本当に生活の一部になっているのを見て、そこでまずはまりました。土いじりがすごく好きになったんです。

——東京でも、庭仕事はされていたんですか?

奥様:東京では本当に限られたスペースで、植木鉢中心のコンテナガーデンでした。うまく育てられなかったバラを、山口の園芸店の店長さんに教わって、もう一度始めて。そのつながりで、東京にいながら山口に友達もできていました。

——山口への移住は、どう決まったんですか?

奥様:主人が完全にリタイアすると決めたとき、ちょうどコロナもあって、「もう東京にいなくてもいいよね」と。どうせ新しいところに住むなら、庭仕事が思いきりできる場所がいい——それが出発点でした。主人に「山口ってあり?」と聞いたら、「わしはゴルフができればどこでもいい」と(笑)。そこから土地探しを始めました。

——新しい家には、どんな暮らしを思い描いていましたか?

奥様:庭もインテリアの一部と考えていたので、家と庭を分けて考えない住まいにしたかった。それから、のんびり暮らすための薪ストーブ。暖かさは、年を重ねるとすごく大事なことなので、床暖房と薪ストーブは最初から決めていました。

バラの支柱が並ぶ庭で水やりをする一場面(森本様邸)

伝えたのは、「シンプルモダン」のひと言

——I.D.WORKSとの出会いは?

奥様:バラつながりの友達が、少し前にI.D.WORKSさんでリノベーションをした方だったんです。ホームページを見たときに「あ、私、好きかも」と思って、コンタクトを取るようになりました。

——家のイメージは、どう伝えたんですか?

奥様:「どんなイメージの家を建てたいですか」と聞かれたとき、私は「シンプルモダン」とだけ伝えました。主人は「そんなんで分かるか」と言ったんですけど、設計の川端さんは「分かります」と。そこからは、その一言に全部信頼を寄せました。

——要望は、細かく伝えなかったんですね。

奥様:中庭が欲しいことと、リビングとキッチンは仕切らず大きく、あとは寝室があればいいかな、というぐらいで。そんなに細かく要望を出していたわけではないと思います。コロナ禍で東京と山口でしたから、打ち合わせの回数も普通の方よりずっと少なくて、ほとんどオンラインでした。

ご主人:私からは洗面所だけ。普通の洗面台のようにシンクがぽこんとある感じが嫌で、一枚ものでつくってほしい、と。それだけは伝えました。

薪ストーブのあるリビングと、大開口の向こうに広がる庭(森本様邸) 植栽に迎えられる玄関まわりのアプローチ(森本様邸)

かたちになっていく

——提案は、どう進んだんですか?

ご主人:最初にパースがあって、そこからイメージが膨らんでいきました。図面は三回描いてもらいました。最初は二階建てだったんです。

奥様:二階のテラスで外を眺めてのんびりしたい、というイメージがあったんです。でも「二人で住むのに二階はいらないよね」となって。二回目でもいいかなと思ったんですけど、最後に川端さんが「もう一回描かせてください」とおっしゃって、三回目で今の平屋——ぐるっと回れる回廊と、真ん中の中庭のかたちになりました。

——「言っていないのに、汲み取られていた」と感じたことはありますか?

奥様:キッチンです。どうしても自分の食器棚を置きたくて、それに合わせてつくってもらったんですが、その上にエアコンの目隠しまでつくってくださって。要望していなかったんですけど、ぴったり合っていて、感激しました。少ない打ち合わせで、よく私たちの思いを形にしてくれたなと思います。

——完成した家に入ったときは?

ご主人:パースでイメージはできていましたが、実際に中に入ったときは「おお、いいな」と。図面で見るよりも、やはり良かったですね。

奥様:暮らしのギャップは何もなかったです。生活のスタイルとして、本当に初めから合っていました。

造作カウンターのキッチンと、持ち込んだ食器棚のある台所(森本様邸)

暮らしを、使いこなす

——いま、どんな毎日ですか?

奥様:ほぼ「明るい農村」です。朝は日の出とともに外に出て、まず庭をぐるっと見ます。雑草を抜いてみたり、「今日はこの後ここをこうしたい」と考えたり。夕方は散歩に行って、一日いろいろな庭仕事をして、暗くなったら休む。そんな暮らしです。

ご主人:私は料理が大好きなので、だいたい料理のことを考えています。コーヒーは生豆から自家焙煎で。中庭でコーヒーを飲んだり、本を読んだりしていると、だいぶ気持ちがいいですね。

——思い描いた「庭と暮らす人生」は、どこまで来ましたか?

奥様:レイニーブルーという品種のバラが、壁一面に咲くようになりました。「レイニーの壁」と呼ばれていて、だいたい六千輪。ここを通る人が楽しみにしてくださって、「今年もかわいいわね」と言ってもらえるのは、すごく嬉しいです。夏はタープを張って、孫たちがプールで遊んで。冬は冬で、植物の休眠期に掘り上げて移動させたり——一年を通して、庭の顔を変えながら付き合っています。

——ご近所との時間も増えたそうですね。

奥様:ご近所の方が学校の先生をされていて、学童保育のお迎えの時間が合わないときは、うちで待っていてもらったりしています。外でランチを食べても、友達はみんな「コーヒーは森本家で飲もう」という感じです(笑)。

ご主人:東京では、両隣に誰が住んでいるのか分からないような感じでした。年間百六十日は海外で、家にほとんどいなかった。それが今はずっと家にいて、持ちつ持たれつ、ゆっくりとした時間が流れています。

——これからの楽しみは?

奥様:もっとデッキを出して、ここでの楽しみ方を広げたいなと。庭は、まだ完成していないんです。本当にきりがないですね。

朝の庭で水やりをする一場面(森本様邸) 庭側の窓越しに見る、リビングでくつろぐ時間(森本様邸)

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