こんにちは。設計の川端です。今回は、土間やタイルの床の蓄熱についてお話しさせていただきます。
蓄熱の仕組み
土間のある家に憧れながらも、冬は足元が冷えるのではないかと迷われる方は多いと思います。土間は外に近い場所、というイメージがあるためかもしれません。
蓄熱とは、素材が熱をため込み、時間をかけて放出する働きのことです。冬の昼間、窓から入った日差しが土間やタイルの床に当たると、床がその熱を蓄えます。日が陰った後も、床に蓄えられた熱がじわじわと室内に広がっていきます。
一般に、土やコンクリート、タイルのように重く密度の高い素材ほど、多くの熱をため込むことができます。冬の低い日差しが床の奥まで届くように、窓の位置や大きさを計画することも大切です。
土間の寒さと断熱・気密の関係
ここで前提になるのが、家全体の断熱と気密です。断熱・気密が不十分な家では、日差しで床に蓄えた熱も、暖房で暖めた空気も、すき間や壁を通して外へ逃げてしまいます。
反対に、断熱・気密がしっかりした家では、蓄えた熱が家の中にとどまり、ゆっくりと全体に行き渡ります。土間が寒いかどうかは、土間という床の種類よりも、家全体のつくり方で決まると考えています。
なお、一般に夏の高い日差しは軒や庇で遮り、床に熱をため込みすぎないように計画することも合わせて考えます。
タイルの床の清掃性と蓄熱性
土間の仕上げにタイルを使う住まいもあります。タイルには、汚れを拭き取りやすい清掃性と、熱をためる蓄熱性という二つの特徴があります。
ある住まいでは、コンパクトな間取りの中でも豊かな心地よさを感じていただけるように、玄関とリビングを一つの空間にし、その床をタイルで仕上げました。外から靴のまま入る場所でも手入れがしやすく、昼間に日差しを受けたタイルが、蓄えた熱を空間全体へ広げていきます。
土間リビングという間取り
玄関を設けず、土間をそのままリビングにする間取りは、床面積をコンパクトにまとめる工夫にもなります。その考え方は「平屋やコンパクトな家を、広く心地よく住むには」でお話ししています。
土間のある住まいの見学会では、冬の晴れた日の暖かさを足元から確かめていただけます。