〇二十四節気の六番目【穀雨】
立春から数えて15日頃、2019年の穀雨(こくう)は4月20日にあたります。
早いもので、春も最後の節気へ。
山口をはじめとした南の地方ではトンボが飛び始め、衣替えの季節がやってきます。
穀雨は、田畑を潤し、穀物の成長を促す雨のこと。
街を彩っていた花たちは雨と共に散っていきますが、道端の草花や畑の野菜たちは、強まる陽ざしを源に、青々とした葉を茂らせ、初々しさを増していきます。
待ち望んでいた春が颯爽と過ぎ去ってしまうことを「行く春」という言葉にもなっていますね。
少しずつ移りゆく風薫る夏を感じながら、春の終わりを惜しみましょう。
〇季節のお風呂で癒し時間を
5月5日は子どもの日であり、端午の節句。
この日には、菖蒲湯に入り、関東では主に柏餅を、関西ではちまきを食べる風習があります。
香り豊かな菖蒲湯はリラックス作用や血行促進が期待できる他だけでなく、肩こりや腰痛予防にも効果があるそうです。
また、葉を煎じて飲めば腹痛に効き、茎は血行を良くし、根は解熱や傷薬になるといわれていました。
そのため、根を刻んでお酒に漬け込み飲んだりすることもあったとか。
香りで邪気を払うおまじないとして、5月4日の夜に枕の下やお布団・ベッドの下に菖蒲を敷いて眠り、翌日その菖蒲で湯を立てて無病息災を願う風習がありますね。
・菖蒲湯の楽しみ方・
⑴ 葉と茎を10本ほど用意する
⑵ 給湯式の場合は、お湯を張る前からバスタブに菖蒲を入れ、42~43度程度の温度で給湯し、冷ましてから入りましょう。
⑶ 冷水から沸かす場合は、水の内から菖蒲を入れて、適温より少し高めの温度で沸かすと香りが増します。
その後、好みの温度にぬるめて入るのがおすすめです。
〇5月2日の茶摘みと田植え
立春から数えて88日目を指す5月2日の八十八夜は、春から夏に移る節目の日。
「♪夏も近づく八十八夜…」という茶摘みの歌があるように、八十八は、末広がりの字が重なることから縁起がいいとされ、この日に摘み取ったお茶を飲むと長生きできるという言い伝えがあるほど。
また、その年の最初に新芽を摘んで作ったお茶を“一番茶”といい、通常“新茶”と呼ばれるお茶は一番茶のことを指します。
その後6月下旬~7月上旬に摘まれる二番茶と、8月下旬頃の三番茶は機械で摘まれることもありますが、新茶だけは今でも人の手によって丁寧に摘まれるそう。
その一方で、急に気温が下がって遅霜が降り、農作物が被害をこうむることを警戒した「八十八夜の別れ霜」や「八十八夜の泣き露」言葉というもあります。
八十八夜をすぎれば遅霜の心配も減るため、農家さんにとっては田植えなどの農業が始まる合図とされていたようです。
八十八夜は大型連休の真ん中日。
県内では、5月3日に宇部市で八十八夜のお茶まつりが開催されるなど、茶葉にまつわるイベントもあります。
初夏のスタートに、できたての新茶を頂いてホッとひと息つく1日を過ごしたいものですね。