山口市の賑やかな通り沿い。交通量が多く、信号待ちの車や人の気配が身近に感じられる立地に対し、私たちは外に対しては静かに閉じ、内に対しては光と風を豊かに受け入れる住まいを計画しました。
街の喧騒をそっと伏せるファサードの先には、外からの視線を丁寧に遮ることで生まれた、プライベートな中庭が広がっています。
住まいの重心を庭に据えた設計により、キッチンに立つと、大きな窓を介して四季の移ろいを情緒的に愉しめる情景が視界に入ります。降り注ぐ陽光が落とす美しい陰影、夜の静寂を彩る柔らかな灯り。何気ない日常のなかで、ふと視線が庭へと抜け、街なかにいることを忘れてしまうような、瑞々しい心地よさがここにあります。
室内は、家族一人ひとりの感性を大切に、随所に「好き」を散りばめた空間です。リビングやダイニングには、お気に入りの品々を愛でるための余白を。
一方で、クローゼットや水廻りは黒を基調としたシックな装いとし、愛用する衣服や小物の鮮やかな色彩が凛と引き立つよう意図しました。
さらに、将来のライフスタイルの変化に寄り添い、1階の寝室には外部動線を設けるなど、これからの長い時間を共にするための工夫を凝らしました。確かな構造という見えない安心に包まれながら、住まう人の個性が重なり合い、この家だけの特別な「彩」が静かに深まっていきます。















