こんにちは。
山口市黄金町のリノベーションコミュニティokizaがお披露目されて1ヶ月と半分が過ぎました。
少しずつですが人の行き交いも増えてきて、その変化も楽しいです。
とはいえ事務所は変わらず、皆さまの暮らしのお手伝いに励んでいます。
先日は職人さんとスタッフが打ち合わせをしていました。
基礎を終えこれから大工工事が始まる現場とあって、施工を細かく確認する会話が聞こえてきました。
こちらは新築現場を訪れた時、納まりが印象的だった鴨居です。
木引き戸と障子、簾を取り付ける鴨居に掘り込まれた10本近い溝。
数ミリでもズレてしまえば狂いが出ます。
強い気ち持も求められる作業ですが、皆が要望に応えようと前向きでいるからこそ叶うのだと思います。
建築中の現場はお施主様をはじめ、職人さんや現場監督、設計スタッフなど様々な人の思いが生きて集まっていることを感じます。
聖域のような空間。いつも良い緊張とともにお邪魔させていただいています。
これは集中している設計スタッフをこっそり撮影した時のもの。
これからプランをご提案するお客様に向けて、敷地図面を使ったゾーニングを行っているところでした。
ディスプレイに表示した設計図面と見比べながら書き込んでいますが、目的は家をとりまく全体を俯瞰すること。
例えば間取りや建物の輪郭、配置、室内と室外の動線に気を遣るだけでなく、駐車場の取り合い、道路との接続、陽当たりや方角、周囲の環境など、配慮する項目は多岐に渡ります。
科学や統計的な目線もですが、風景の抜け感など感覚的な匙加減であったり、土地の個性を感じとって考慮することも欠かせません。
また敷地境界線のどこを起点にするかで、暮らすうえでの良し悪しが見えてきます。
そのため複数のパターンを事前に吟味し、お客様にとってバランスの良いもの・優先度の高いものをご提案させていただくこともあります。
ゾーニングは注文住宅では基本の手法ですが“土地と暮らしの関係”を見つめ直す時間と言えます。
敷地の難易度問わず丁寧に手間をかけて行いたい作業のひとつです。
取り留めなく最近の仕事風景をお伝えさせていただきましたが、家づくりはたくさんの工程がリレーのように線でつながっていて、ひとつひとつ根気強く重ねていくことで「その人らしい家と暮らし」が次第に象られていくものだと思います。
長い道のりだからこそ。
“できるまで”の過程も一緒に楽しめたら嬉しいですし、振り返るとあっという間だったなと感じていただけたら何より幸せです。