■未来に向けて“今”を仕込む
こんにちは。二十四節気の立冬を迎えて以来、また一段と冷えが深くなったように感じますね。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
2週間ほど前になりますが、自宅の庭で花開いた金木犀を収穫してシロップを作りました。
とろりとなめらかに光る金木犀たち。ずっと眺めていられる輝きです。
年明けの冬 ID食堂がOPENする日までゆっくり寝かせる予定で、甘味や飲みもので味わっていただけたらと思案しています。どうぞお楽しみに。
■思いを馳せる
旬を切り取り季節を閉じ込める発酵食品は、ゆっくり時間をかけてうま味が深く豊かに熟成されていきます。
その姿は微生物の力によってひとつの意思をもった生きもののよう。
写真家 星野道夫さんのエッセイに大好きな文章があります。
日々の暮らしに追われているとき、もうひとつの別の時間が流れている。
それを悠久の自然といっていいだろう。
そのことを知ることができたなら、いや想像でも心の片隅に意識することができたなら、それは生きてゆくうえでひとつの力になるような気がするのだ。
(星野道夫 1999年『長い旅の途上』文春文庫 )
私たちが日々働いたり、ぼんやり今夜の晩ご飯を考えたり、好きなことに熱中しているこの瞬間にも。
生きものたちも懸命に生を全うしている。皆に等しく同じ時間が流れている。
その事実がただただ美しいと感じます。
新社屋予定地の畑で番重の蓋に置き金木犀を飾ってみると、水面に浮かぶようなお膳に。
空想の物語が始まる予感に心が躍りました。
【 11月2日 寅の日のお献立 】
・五香粉蓮根ハンバーグ
・里芋と海老と山椒の春巻き
・南瓜と人参南蛮
・秋採りキャベツスパイシー炒め
・薩摩芋と胡桃のサラダ
・紅葉ピーマンの雑魚炒め
・アルザス大根瀬戸内檸檬
・高山さんちの煮玉子
・塩ひじき
・春菊ナムル
・ローゼル塩漬け
・黒米ごはん