〇二十四節気の十三番目【立秋】
大暑から数えて15日目頃、今年の立秋(りっしゅう)は8月8日にあたります。
この日から、季節のあいさつは残暑見舞いに替わっていきます。
焼けつくような陽ざしに、青空を埋める入道雲。
朝から夕方まで蝉の賑やかな声が響き渡りますが、暦の上ではこの日から秋のはじまりです。
そのため夕暮れ時には、どこからともなくひぐらしのカナカナという鳴き声が聞こえたり、夏とは違うにおいの風がふと舞い込んだり。
巻雲などの秋の雲も見えるかもしれません。
そうしてよくよく感覚を研ぎ澄ましてみると、秋の気配を感じる瞬間が増えてくるはずです。
〇夏の夜の願いごと
江戸の人々が、旧暦の七夕(今の八月中旬)に行っていた【星うつし】をご存知ですか。
水を張ったうつわに、そこに天の川や星が映れば願い事が叶うというもの。
そうして織姫と彦星の出会いを眺めて楽しんだそうです。
きらきらと光る水鏡に映る星は、まるで手のひらに閉じ込めた小さな宇宙のよう。
涼しげでロマンチックで、とても素敵な遊びですね。
〇音で涼を感じて
暑さが日増しになっていく季節こそ、涼と癒を運んでくれる風鈴で一時の涼しさを感じてみませんか。
風鈴の起源は、青銅でできた風鐸(ふうたく)だと言われています。
今のような涼しげな音ではなく、ガランガランという音で、厄除けや暑気払いとして使われていました。
お寺の軒に吊り下げられることが多く、あの清らかな音色が聞こえるところでは、災いが起こらないといわれていたのだとか。
そしてこの季節、山口県では宇部市にある琴崎八幡宮で「納涼 風鈴まつり」が開催されています。
風鈴を吊るす風鈴掛けがトンネル型に設置されていて、夏らしい風景を楽しむことができますよ。