〇二十四節気の四番目【春分】
啓蟄から数えて15日頃、今年は3月21日が春分(しゅんぶん)の日にあたります。
桜が咲きはじめ、いよいよ春の訪れを肌で感じる季節。
春一番が吹くのもこの頃です。
また今年は、4月1日に新元号の発表が決まっています。
どのような想いが込められて、どんな漢字があてがわれるのでしょうか。
春の訪れとともに新しい時代を迎える日。
今年の春は特別になりそうですね。
〇春のはじまり
ヨーロッパなどでは、春分をもって春の始まりとしているそうです。
日本における春分の日は、もともと宮中祭祀でしたが、「自然を讃え、生物を慈しむ日」として1948年から国民の祝日になりました。
この日の太陽はほぼ真東から昇り、ほぼ真西に沈みます。
つまり、昼と夜の長さがほぼ等しくなる1日です。
秋と冬の間は昼よりも夜のほうが長かったのですが、この日境に昼の時間が少しずつ長くなっていきます。
暑さ寒さも彼岸まで。
これから日に日に暖かさが増し、本格的に春らしくなってくるでしょう。
暖かくなるにつれ、朝の目覚めもすっきり迎えられそうですね。
〇春夏秋冬の言葉あそび
春分の日の前後3日間は、お彼岸です。
この頃のお供え物の定番と言えばおはぎとぼたもち。
どちらも、もち米とうるち米を混ぜて炊き、適度につぶして丸めたものを小豆あんで包んだ和菓子ですが、季節によって使い分けていることから2つの呼び名があるとか。
漢字で書くと、、
・春に咲く牡丹の花にちなみ、小豆の粒を牡丹の花びらに見立てた”牡丹餅”。
・秋の七草にも数えられる萩の花が、小豆の粒と形が似ているということから”御萩”。
作り方や呼び名が地域によって様々に定義が入り乱れていたり、今ではその違いにさほどこだわらなくなっていますが、本来は春と秋で区別していたそうです。
この御萩と牡丹餅のように、夏と冬にもそれぞれ呼び名があるのをご存知でしたか?
ぼたもち・おはぎが杵を使わずに作れることから「いつ餅をついたのか分からない」と「夜は船がいつ着いたのか分からない」をかけた”夜船(よふね)”は夏の呼び名。
冬は「餅つきをしなくてもいいので”つく”ことを知らない」と「北向きの窓では月が見られないため月を知らない」をかけた”北窓(きたまど)”です。
春は牡丹餅、夏は夜船、秋は御萩、冬は北窓。
自然や季節を愛でる心と言葉遊び。
日本ならではの感性が素敵ですね。