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それぞれの”特別”を見いだすヒントになりますように。

メンタルタイムトラベル 誰かの記憶をめぐる旅【 27歳、台湾。はじめてのひとり旅 編 Vol.2 】

おでかけ

 

人の記憶は時が経つほどに儚いものです。
それでも、何かしらの刺激をもとにその時の情景や感情が呼び起こされる体験を「メンタルタイムトラベル(心的時間旅行)」というそう。
だれかの物語や時間をたどって体験する、旅の記憶。
想いをはせたり、想像したり。心はどこへだっていけるはずです。

 

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INDEX

メンタルタイムトラベル だれかの記憶をめぐる旅 【27歳、台湾。はじめてのひとり旅 編 Vol.0】
メンタルタイムトラベル だれかの記憶をめぐる旅 【27歳、台湾。はじめてのひとり旅 編 Vol.1】
メンタルタイムトラベル だれかの記憶をめぐる旅 【27歳、台湾。はじめてのひとり旅 編 Vol.2】
メンタルタイムトラベル だれかの記憶をめぐる旅 【27歳、台湾。はじめてのひとり旅 編 Vol.3】(順次公開)
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■はじめまして、台北!

 

翌朝、目覚めたのは9時すぎ。朝に弱い私ですが、パチッと目が冴え、ぐっすり眠ったおかげもあってか体調もすこぶる良い。初日となる今日の目標は、2軒の本屋に行って、九份(ジォウフェン/きゅうふん)で中国茶を飲むこと。もし体力が余っていたら夜市に繰り出そうと決めていました。
さっそく身支度を整えて、でかける準備。iPhoneの充電は100%。オフラインでも位置情報はわかるよう、GoogleMapのスタンバイOK。free Wi-Fiという安心に守られた宿泊先から、モバイルデータ通信オフのサバイバル環境へ、張り切って出発しました。

 

今いる場所は、台北駅から南へ歩いて15分ほどのニニ八和平公園(アルアルパーフーピンコンユエン/にいにいはちわへいこうえん)の辺り。目指す本屋が午後1時オープンだったので、その時間までは街中を散策することに。本屋のある南東の方角へ下りつつ、興味のままにぶらぶらしたのですが、とにかく目に映るすべてが新鮮で刺激的でした。

 

 

 

これぞまさにアジア圏といった光景。台湾では自動車よりも原付バイクやスクーターの方が市民権を得ていると思います。中には二人~四人乗りという猛者も。走行中でもリアシートで携帯電話を触っていたり、足元に犬を乗せて(!)走ったりする人もいるようで、カルチャーショックでした。

 

 

 

 

やたら格好良かったのは、マンション/アパートメント/団地と思われる集合住宅群。各家庭(?)ごとに主張があって、それぞれの面格子の造りもおもしろい。防犯のための面格子なんだとか。そしてはみだすエネルギッシュな植物たちよ。このテーマだけで1日散歩できると思います。どれも個性的でまったく飽きませんでした。

 

 

 

こっちの建物は学校の校舎。ミントグリーン×カラフル屋根がかわいい。室外機はきちんと整列されているのに、最上階の管の配線が強引なのもすきです。

 

 

 

 

由緒正しそうな渋モダンホテル。漢字の中国読みはわからないですが、添えてある最適な英語が良い味をだしてます。

 

 

 

 

「女子髪型設計室」。女性向けのヘアサロンに違いない。対して奥の「髪型設計坊」は男性の床屋かしら。字面で何となく意味を想像するのが楽しい。

 

 

 

 

壁面にmoga taipeiと記された広場らしき空間と、その近辺にずらりと建ち並ぶマダム向けファッションショップ。日本でいうMOGA(モガ)は、大正~昭和初期の最先端だったモダンガールを指しますが、これは果たしていかに……。西洋人の顔立ちをした美人マネキンが、皆同じポーズなのも圧巻。アヴァンギャルド(と言っていいのか?)チックな圧倒的なパワー。

 

 

 

愛らしい肉球をさらけ出し、すやすや気持ちよさそうに寝ていた車上の飼い猫。日本と変わらない光景に和みました。台湾ではペット可のアパートやマンションがほとんどらしく、犬や猫を飼っている人が多いのだそうです。ちなみに台北にある「子猫花園」は世界初の猫カフェ。

 

 

 

 

すべすべな文鳥につられて立ち寄った通りには、見渡す限り鳥、鳥、鳥!鳥専門店が何軒も連なっていました。車やバイクの交通音や人のお喋りがフッと消えて、わんわん響く鳥たちの声。騒々しいはずなのに不思議と心地よさを感じる空間でした。
後から調べてみると「鳥街」と呼ばれる通りとのこと。あそこはユートピアだったのだと今も思っています。(ケージいっぱいに詰め込まれた姿には少し胸が痛みましたが……)

 

 

 

■思いがけず手に入れた、旅のお守り

 

そんな通りを抜け、大きな寺院を横目に歩いていると、異彩を放つ佇まいのお店に出会いました。褪せて消えかかった看板には「福印堂印刷」という文字が。印刷?なにをしているんだろう。
じっと見ていると、お母さんがにっこり笑って手招きしてくれました。近寄って手元をのぞき込むと、1㎝角ほどの小さな木を手で彫って判子を作っているところでした。

すごい。これが手作りだなんて…!私もひとつ作ってもらいたいと思い、価格を尋ねてみると70元(日本円で240円程度)との返事が。
え、こんなお値段で??と戸惑っていると、まあまあこのメモ紙に作りたい文字を書なさいというジェスチャー。お母さんが話す言葉は中国語のみ。英語も日本語も通じないけれど、判子の配置スペースから4文字もしくは3文字が良い様です。

 

 


少し悩みましたが、フルネームで作ってもらうことを決め、おびただしい木箱にぎっしり詰まった金属活字を組み合わせてもらいました。彫るのが複雑からなのか、旧字体がなかったのか「こっちの高で良い?」と一文字は差し替えることに。

 

 

 

組んだ文字の凹凸をトレーシングペーパーに転写し、さらに判子になる木角へ写していました。

 

 

 

下準備が整ったら、その木角を機械で固定し、細いナイフで大胆に粗を削りだしていくお母さん。仕上げはルーターでちまちま削り込むそうな。
いつまでも見ていられる作業でしたが、1時間後にできるからまたおいでという雰囲気を感じ取り、さっき通り過ぎた大きな寺院に行ってみることにしました。

 

 

 

観光客も、地元らしき人も、入れ替わり立ち代わり大混雑。なんとはなしに立ち寄ったものの、もしやここ、すごい寺院なのでは……。

 

 

 

奉られている神様方にも、台湾の方にも失礼な所感ですが、境内に入り、参拝客から感じる信仰の厚さに背筋がピンとなりました。正しい参拝の仕方も、御神体が何を具現化しているのかも、まるでわからなかったものの、豪華絢爛、凝った装飾と極彩色がとにかく素晴らしく、日本の信仰方法や美的感覚との違いが興味深かったです。

ここも後日調べてみると、台北で最も歴史ある「龍山寺(ロンシャンスー/りゅうざんじ)」という寺院でした。基本は仏教ですが、道教や儒教などといった宗教も受け入れているよう。おおらかな台湾の国柄があらわれています。

 

 

 

そうしているうちに時間になり、あのお母さんのもとへ戻ると、できたてほやほやの判子が待っていました。素朴ながらも確かに記された自分の名前。こんなに小さな判なのにその何倍も頼もしく思えることが嬉しい。はじまったばかりのひとり旅を見守る、お守りのような存在になりました。
ご機嫌でお母さんにお礼を伝え、お店を後にした途端感じる空腹。そういえば朝から何も食べていなかった。お昼ごはんにありつかねば!

 

次回ははじめて味わう台湾の“食”のお話から。
目標の本屋さんにも辿り着けるのでしょうか。どうぞお楽しみに。

 

(つづく)

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