こんにちは。
去る3月26日、事務所近くの鰐石橋で執り行われる岩戎祭に参加させていただきました。
暮らしに根付く祭事。
心揺さぶられるものがありました。
山口市鰐石町にある鰐石橋の袂で、古くから親しまれているこの重ね岩がお祭りの会場です。
大きな岩が2枚重なり、そのてっぺんには1本の松が気持ちよさそうに自生しています。
小さな道沿いですが車通りが多いため見覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この岩が面する通りは旧街道の萩往還で、山口市の中心街へ向かう際の入り口として多くの人を出迎え見送った場でした。
その始まりは大内時代、山口を訪れた中国の明使 趙秩が山口十境の漢詩を詠んだことからと伝わっています。
お祭りの内容は注連縄の掛け替えです。
地域の有志で結成する岩戎講の皆さんが中心となり、年に一度、永く引き継がれてきました。
お祭りは注連縄を拵えるところからはじまります。
地域の方から持ち寄られた藁を綯い、少しずつ伸ばしていきます。
完成した注連縄を岩にぐるりと掛けたらいよいよ本番です。
岩の上に皆が並び、重ね岩に宿る恵比須様に向けて祝詞を奏上しお祀りしました。
日本の風土、その根底に流れる自然崇拝を感じる習わしです。
つくり、守り、つないでいく。
そうした地域の集いもきっとまちを支えてきたのでしょう。
風景や土地は個人のものではなく地域のものであることを考えさせられました。
岩戎講の皆さま、お声がけいただき誠にありがとうございました。