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I.D.Worksの日々を綴ったブログです。

東京の建築から考える自然との共存

日々

こんにちは。先日東京へ研修に行きました
合間に少し時間があり、根津美術館と麻布台ヒルズを訪れることができました。
どちらも感じることが多い建築物でしたのでご紹介します。

 

 

根津美術館は戦争による焼失、1954年に建て替え、2006年に取り壊し、2009年に隈研吾氏の設計により東京都港区青山に開館し現在に至ります。
高低差のある場所に位置し、敷地内は大きく分けて美術館と庭園で構成されています。

 

 

 

まず美術館部分。
敷地の入り口から建物の入り口までのアプローチが特徴的な竹の壁と植栽で挟まれた一本道で、すぐ外の街と遮断されているように感じました。
今から入っていくのだと一目で感じられるデザインです。

 

 

 

建物に入ってすぐのホールで一番に目を引かれたのは天井でした。
階段の手すりや間仕切り壁がガラスになっているため、1Fから2Fまで一枚の勾配天井で繋がっており空間が大きく感じられます。

天井にはスリットが入っており、向こう側・奥行きが感じられ空間がさらに広く感じられました。
ホールは人が一番集まる場所なので狭い印象を与えないようにこのようなデザインにしたのだと思われます。

 

また、各展示室の天井を見ているとそれぞれの部屋で天井の勾配、勾配方向、質感、照明などがすべて違っていました。
装飾はほとんどなく、これらのことで展示物を邪魔することなく各部屋の印象を変えているようです。
ホールから展示室に入ったときに抱く違和感が非日常感を演出しているのではないかと感じました。

 

 

 

庭園は地上1階、地下1階で構成されており、高低差があります。
歩き始めは上から全体を見渡すことができ、坂道や階段を下って後半は、壮大な自然を下から見上げて眺めることができました。

都会の真ん中にいることを忘れてしまうような自然です。
庭園内は木々に隠れるようにいくつかの茶室が点在していて、どこか懐かしい気持ちにもなります。

 

そしてこの日、来館者のほとんどは海外からの観光客でした。
洗練された現代の日本の街中で、温かみのある自然の日本を感じられるこの場所が、ひときわ魅力的に映っているのかもしれません。

 

 

 

次はここ、麻布台ヒルズです。

2023年に【緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街 −Modern Urban Village−】というコンセプトで誕生しました。
敷地内にある森JPタワーは現時点で日本一の高さのビルで、最先端を感じる要素がいくつも詰め込まれている場所でした。

 

とりわけ特徴的だと感じたのは曲線です。
森JPタワー、ガーデンプラザの装飾、室内の壁、柱など、遠くから全体を見ても近くで細かく見ても、そのほとんどが曲線で構成されていました。

オフィスが入っているというところから無機質なイメージになりそうなビルですが、視覚的にわかりやすく和らげる効果があるのではないでしょうか。

 

 

 

室内は装飾、質感、天井高などの細かなこだわりが、ただの通り道も計算された余白だと感じてしまうような空間に変えています。
決してだだっ広くスペースを無駄遣いしているのではなく、可能性を感じられる空間です。

また外に出ると、多くの緑があり、息苦しくならないような工夫がなされていました。

 

 

 

この2つに共通することは街の中の自然。
大きなビルができて道が整備されて暮らしが豊かになっても、結局人は自然を求めるものなのだと感じました。

無理やり取り入れようとすると、それは美しいデザインにはなりえません。

自然と人は切り離せない関係だからこそ“自然も人も尊重し合えるデザイン”を自分なりに考えていきたいと思います。

 

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