先日周南市にある株式会社みうら様の本社オフィスをお伺いさせていただきました。
弊社の設立当初からよく気にかけていただいた会長の三浦さんとは長いお付き合いで、この度も研修の機会を…という相談を快くお引き受けくださいました。
みうらさんは今年で創業94年になる木材・製材品の製造会社で、①木材建材、②物流梱包資材、③ハウスメーカー向け木材加工、④住宅/非住宅と大きく4つの事業を展開されていらっしゃいます。
拠点は県内のみならず、主要都市や中国の大連にも営業所や工場、関連会社を置いています。
新装されたばかりの本社オフィスには建具などの内装建材を生産している工場が併設され、今回はここを見学させていただきました。
無垢でできた造作材はどんなものであれ、1本の丸太から切り出されています。
その際、どんなふうにノコギリを入れてどのように材を取り出していくのかという工程を「木取り」と呼ぶのですが、みうらさんではこの木取りと加工・塗装が行われ、私たちのような工務店やメーカーのもとへ届けられています。
ノコギリで切り出された木材は全体的に粗いため、モルダーという機械に通して表面や形を整えます。
木材が保管されている棚に複雑な形で仕上げられたものがありました。
これはどうやって象るのか尋ねると、一度の加工で6つの面/7つの面を一挙に整えるとのこと(!)。
調整作業には専門的な技術と少しの手間がかかりそうでしたが、魔法のような機械です。
この大きな機械はワイドサンダーといって、木材を塗装する際、表面に色ムラや毛羽立ちが起きないようフラットにするもの。
削る深さは0.1ミリ単位で細かく調節するのだそうです。
ワイドサンダーの出口側はこんな様子。
山吹色のロール状のものがサンダー(ヤスリ)部分になるのですが、ヤスリをかけられ粉になった木屑がベルトコンベアの上に積もっています。
施工前と施工後で触って比較体験させていただきました。
ざらっとしていた材でしたが、見違えるように優しくなめらかな触り心地に様変わりしていました。
階段の手すりや笠木も1本の木から削りだしているそうです。
削られて屑となった方の木材は燃料などに活用されているそうで、環境負荷についても取り組まれていらっしゃいました。
ここは耐久性の高いウレタン塗装材を作っている空間です。
一級塗装技能士の資格を持つスタッフさんがスプレーガンを手に、左右に行ったり来たりリズムよく動かれています。
一見難なく吹き付けているように見えますが、その日の気温や湿度の違いを考慮した上で、なおかつ色ムラや凹凸がないよう均一に行うのは至難の業。
塗装と削りを何度も重ねるため工程も多く、手間のかかる作業のひとつです。
はじめて見る木材加工の現場に興味津々のIDスタッフ。
限られた時間でしたが、皆さん丁寧に説明してくださいました。
次に見学させていただいたのはリフォームを提案する【 リファインしゅうなん 】のショールームです。
「木を扱う会社として木目を大事に、木を活かしたリフォームを」と専務さんが仰られている通り、木の温もりをしっかり感じられる空間でした。
1階は主にオークの突板をふんだんにあしらい、暮らしをイメージできる回遊型の間取りです。
ここにある木家具のうち、玄関扉と椅子以外はすべて造作で手がけられています。
どれも使い手のことを思う行き届いた仕様になっていて、私たちも学ぶところが多くありました。
キッチンの立ち上がり壁や背面収納は端から端まで木目がひと続き。
とても美しいです。
ネイビーグレーの室内窓もアイアンではなく、無垢でマットな塗装仕上げを提案されていました。
2階はラスティックモダンをテーマにしたしつらいです。
暖かみを感じるレッドパインやフランスから輸入されたというボルドーパインなど、それぞれの木の特性を見て触って確かめることができました。
その後会長の三浦さんとお話しする時間をいただいたのですが、特に心に残ったのは「技は心」という言葉でした。
技術の良さは大事ですが、その根幹となるのは心であるという考え。
心技一体のように心の在りようが表出したもの=技であり、裏を返せば、技の精度がその人をその人たらしめることもあるのかもしれないなとそんなふうに感じました。
オフィスも工場も整理整頓・清掃が行き届いていること、また働く社員の方々がかけて下さる挨拶がはきはきと気持ちよく、みうらさんの姿勢はこうしたところにも表れているようです。
みうらの皆様、温かく迎えてくださりありがとうございました。
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株式会社みうら 本社【 website 】
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