こんにちは。
10月に入っても長居していた夏が、どうやら秋も連れ去ったようですね。
初冬のような寒さに驚きつつも季節は巡り巡っていることがうれしいです。
この夏から第一期工事がはじまった山口市黄金町の新社屋予定地は、ようやく大工工事に辿りつくことができました。
時代とともに変化してきた複雑な造りだからこそ出てくる難しい問題もありますが、現場が着々と動いているのはスタッフをはじめ真摯に取り組んで下さる職人さんのおかげだとひしひし感じます。ありがとうございます。
今は焼杉の木板を外壁に貼ったり、モルタルなどで塗装したり、建物ごとにそれぞれのペースで進んでいます。
思えば1年前の10月は、着工前イベント「ことわざ “ことのはじまりはここから”」の準備に奔走していました。
足繫く通って建物を調べたり、地域の方にお話を聞かせていただいたり。おかげさまで冊子として綴じることができるくらいに、それぞれのささやかな語りが集まり、ご来場下さった方にお配りすることができました。
戦後の凄まじい変化と復興のなかで懸命に生き、慎ましく暮らしてきた黄金町の人々。そのほとんどが気づかれることなく過ぎ去り、零れ落ちてしまった今、当時に戻ることなど叶いませんが再び掬い取った有形無形の断片から思いを馳せることはできます。
イベントも冊子もひとつの通過点で栞的なものです。
この先に続くよう取り組みたいですし、冊子を広くご覧いただける機会も設けられたらとも思っています。
先日新社屋の敷地では、昨年咲かなかったお花が開花していました。
調べてみると「木立朝鮮朝顔(コダチ/キダチチョウセンアサガオ)」、エンゼルトランペットとも呼ばれている花木のようです。
気付くのが遅かったのか、花びらの端がすでに変色した姿でしたが本来はラッパのようにエキゾチックなお花。品種によっては夜に香りを放つそうでロマンチックですね。
季節が進み、新社屋の敷地も鮮やかな緑から落ち着いた色合いに移ってきました。観察と記録も引き続き楽しみたいと思います。