12月がはじまりました。
1年の最後の月、歳の終わりです。
日が暮れる時間もずいぶん早くなりましたね。
今年も事務所ではI.D.Worksカレンダーを新調しました。
使いやすさと暮らしに馴染むデザインは残しつつ、ボード地や紐、金具の色を新しくしてみました。
実はこのカラーイメージは新社屋着工前イベント「ことわざ-ことのはじまりはここから-」からきています…!
来年もたくさん使いこみたいなと思いますし、皆さんの暮らしの傍においていただけたら嬉しいです。
そして今月からは山口市吉敷佐畑で新しいリノベーションプロジェクトがスタートします。
計画の詳細は中古アパートのフルリノベーション。
これまでは単身向けアパートとして貸し出されていましたが、3LDK +WICの賃貸メゾネットに変わります!
近隣の皆様へのご挨拶を終え、今は解体工事の最終段取り中です。
来年の3月下旬を目処にご入居いただけるよう計画中ですのでどうぞお楽しみに。
前回のblogで周南事務所の計画スタートを報告させていただきましたが、さまざまな方から反応をいただきありがたい限りです。
(ぜひあのTELEPHONE BOXを探してみて下さいね…!)
解体工事が着手となった現場の様子を少しお伝えさせていただきますね。
道路に面したブティック空間を奥へ進むと住空間とちいさな庭が広がっています。
写真2枚目、左に見える木枠の屋根空間はお風呂場だったスペース。
解体してみて初めて判明することもあり、当初のプランからどのように変更しようかと案を練っています。
早いもので第一期の解体工事は終盤へ。
以前、リノベーションはジャズのようだと書かせていただきましたが、その感覚を現在進行形で体感しています。
これからどんな空間になるのでしょうか。
引き続き楽しみにしていただけたらと思います。
ここからは古いものに心が弾んだお話をご紹介させていただきます。
白い磁器が点々としているのが見えるでしょうか。
周南事務所を吹き抜けにするため天井を取り払ったのですが、その時に発見した碍子(がいし)に心を奪われてしまいました。
有田焼で作られているこの碍子は電線を支持・絶縁するために使用されています。
電車や電柱、発電所・変電所などでも似た形がありますね。
今の家づくりは電気配線を天井裏や壁裏に隠すことがスタンダードですが、70年ほど前の家屋ではこのように露出する配線計画が一般的でした。
そのため今では一般家庭用の碍子を作られることもほとんどなくなり、この配線ができる電気工事士さんも少なくなっているようです。
美しい配線とデザイン。
碍子のコロンとした見た目もかわいいです。
設計や工務スタッフとにんまりしながらどう活かそうかと計画しています。
そしてもうひとつ見つけたのがこちら。
壁を取り払った階段下に貼ってありました。
おそらくですが、壁を後から新設したときに剥がし忘れていたであろう紋入れの価格表です。
空き店舗になる前は婦人向けブティックを営まれていたと伺っていますが、前身はお着物の紋入れやお仕立てをされていたのかもしれません。
その下にあったのは瀬渡しの価格表と地図。
地図は柳井~周防大島と周辺の離島が描かれていて、沿岸にはそれぞれのポイントで釣れる魚の種類が事細かく記されていました。
ますますこの建物と空間に対する愛着が湧きました。
掘り出し物に出会うような体験も古いものの魅力ですね。