物件探しから企画・設計・施工・販売まで、ID不動産が手がけるリノベーション済中古住宅。
コンセプトのこと、着工前から施工中、そして完成にいたるまでの経過をここでレポートさせていただきます。
◉コンセプト
川辺の暮らし
山と川に囲まれ、自然がすぐそばにある暮らしを想像してみませんか。
ご近所には地域に根差し、生活を慈しみながら営むお店がちらほらあったりして。
穏やかな椹野川に沿いに建ち並ぶ住宅群のなかで、煙をくゆらすこちらのお住まいが、今回ご案内させていただくリノベーション済中古住宅です。
突板張りの無垢材など、素地の謙虚な美しさが宿る、ミニマムな平屋の佇まい。
暮らしの中心は土間のあるリビングダイニングとアイランドキッチンです。
夏は蛍が舞う川辺からひんやりとした風が通りぬけ、冬は薪ストーブの暖かさが家を包みます。
西窓の借景は、川をはさんで向かいにある竜王杜の大きな椋木。
庭先の大きな開口からは自然光が綺麗に差し込み、気持ち良い時間が過ごせそうです。
豊かにうつりかわる日々の暮らし。
冬の越し方、春の迎え方、夏の待ち方。そして秋の数え方。
そのひとつひとつを丁寧に寄り添いたい方に贈ります。
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◉建築レポート
〈 着工前 〉
持ち主さんから「空き家の管理に困っている」とのご相談をいただき、出会った平屋のお住まい。
2020年3月に建物調査を行った後、物件を購入させていただくことを決めました。
丁寧に管理されていたお家なのでしょう。
状態もよく、リノベーションに向いている模範的なお家です。
建物調査を行ったそのあと、家の周りを散歩してみました。
今回の場所は自然ゆたかな山口市宮野です。
近くには様々な木々や草花が自生していて、冬の終わりの深い色が印象的でした。
その後再度家を訪ねて、インスペクションを行いました。
小屋裏や床下など、家の状態が詳しく見えてきたので、その内容を加味しつつ社内で着工前打ち合わせ。
建物の造りや土地の色を踏まえたプランの方向性が固まってきたので、現場はさっそく解体と補修工事がスタートしました。
このころ、4月なかば。
現場を訪れるたびに、風景を彩る春らしい色に心がはずみました。庭先のカラスノエンドウの花にはテントウムシが。
家の前の川には桜だけでなくスノーフレークや菜の花も咲いていました。
解体工事がほぼほぼ完了。
家の中心部(天井裏)には、持ち主さんが家を建てた時に祀ったであろう御幣がきれいに残されていました。
こういう発見があるとにやりとしてしまいます。
現場監督と設計、技術スタッフで行った解体後の現地打合せ。
職人さんを交えた基礎と土間の施工確認もばっちりです。
5月最後の週末に開いた構造見学会。
完成後には見えなくなってしまうところをしっかり見て触れていただきました。
床下配管を整え、再び工事スタートです!
6月、いよいよ大工工事がはじまります。
金物と耐力壁による耐震補強工事と、外回りは外壁下地を整える作業へ。
長かった梅雨が明け、いよいよ夏本番。
自然の色も鮮やかなものがよく目につくようになりました。
太陽を目指して葉を広げ、夏の到来を祝うかのように花が咲いています。
外回りがかなり進んできました!
通気口もしっかり確保しています。
3枚目の写真の白い天井は既存のもの。残したまま空間を作っていく予定です。
たくさん置かれた資材の隅では、断熱材がスタンバイ。
室内から抜けて見える庭の緑がまぶしいです。
ボード張りが進んでいます。
吹き抜けの天井は大きな梁が現しに。この眺めがリノベの醍醐味。
大工工事終盤といえど気を抜かず、細かな仕上がりを丁寧に確認し合いました。
これは埋木(うめき)という作業。
文字通り、木の割れた部分や死節(枯れた枝からできた節穴のこと)の穴や鴨居を取り外した穴に対して、他の木材を埋め込んで補修を行うことです。
穴があいたままでも使えるのですが、見た目の悪さや穴の大きさによっては構造として心配なこともあるため、似たような木目を埋めていきます。
今回は解体時に端材としてでた柱の一部を使って大工さんが埋めて下さいました。
収まりの美しさは秋開催予定の販売&完成見学会でぜひご覧くださいね。
大工工事が完了した8月最終週。
瓦屋根からにょきっと伸びているのは土間に計画したストーブの煙突です。
かっこいいですね。
完成が見えてきましたよ。
購入の予約は2020年9月10日(木)より受付スタートです!
秋の兆しが感じられるこの頃。家の周りも秋の色が増えてきました。
キッチンはアイランド型にさせていただきました。
奥に見える棚はパントリーや冷蔵庫スペースです。そのまま見せる収納でもいいですが、布と突っ張り棒で仕切れるように設計しています。
薪ストーブの炉壁づくり中。
今回は大谷石をセレクトしました。壁の側面は細かく切り出してはめこんでいきます。
薪ストーブの設置も無事に完了。冬が楽しみになりますね。
キッチンスペースの壁面には、棚を境界にクロスとタイルを貼り分けています。
レンジフードの取り付けも終わり、収納棚の組み立てが進んでいるところです。
9月の最終週、内装工事がほぼ終わりました。
きれいに掃除をしていただき、ぴかぴかのダイニングキッチンです。
このあとお庭の剪定に入りつつ、外構を整える工事が始まります。
家具も納品完了。
関家具さんが展開されているCRASH GATEから丸テーブルとチェアをコーディネートしました。
CRASH GATEは、古材をつかったオリジナルプロダクトやビンテージ製品などのリプロダクションするブランドです。
今回の販売ではこちらの家具込みでご購入いただけますよ。
どんなデザインの家具なのかはお披露目までお楽しみに。
薪棚も組み立て完了。薪と焼杉の相性、いいですね。
この杉板、横方向で張っていくのは技術がいる作業で大変だったのですが、職人さんが頑張ってくださいました。ありがとうございました。
寒露を迎えた10月。すっかり秋の風景です。
コーディネートや撮影も滞りなく終わり、お披露目できるまであと少しになりました。
このお家の販売・完成見学会は10月24日(土)・25日(日)に開かせていただく予定です。
詳しいご案内は近日中に公開させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。