1970年に建てられて、2020年の今、築50年のお家。
たっぷりとられたバルコニーもだけど、木造の和とRC造の洋、半分ずつ足したようなこの外観はなかなかおもしろいと思うんです。
高度経済成長真っただ中の、住宅の流行や移り変わりをそのまま体現しているみたい。
玄関前に添えつけてある赤レンガの花壇。
こんなスペースにわざわざ作るなんて、持ち主さんはきっとガーデニング好きだったに違いない。
春だもの、チューリップを咲かせたいな。
すみっこでは苺かラズベリーをこっそり育てようかな。
駐車場は1台分。
横幅は平均的な大きさだけど、奥行きと高さが充分あるから、ランドクルーザーみたいな大型車も大丈夫そう。
あ、2台目の心配はご無用です。
だってこの家の目の前にも周辺にも、月極駐車場があちこちにあるのだから。
玄関をあけると、2階へつづく階段、奥には光に満ちたリビングダイニング。
この光景、懐かしい。当時のスタンダードだった玄関の眺めです。
1階部分は一度リフォームしている様子。
それにしても明るくて広い!
窓も贅沢な大きさで、ぽかぽかの日差しが入ってくる。
キッチンも申し分なく、ゆったりした造りです。
壁からぴょこっと生えてる蛇口はおそらく洗濯機用かな。
一軒家としては珍しい配置なだけに、気になる場合は工夫が必要そう。
リビングとダイニングとキッチンを区切るのはアコーディオンカーテン。
まだまだ使えそうだけど、思い切って取り払ってワンルームにしてみたいな。
白い壁をスクリーンに見立てて、ホームプロジェクターで映画やテレビを投影すれば……なんて妄想が次々広がってしまいます。
休みの日なんかには差し掛けのある掃き出し窓に腰かけて、ラジオを聞きながらスニーカーを洗濯したり靴磨きをしたい。
おやつにはバームクーヘンとコーヒー。
なんて有意義な1日なの。
洗面とトイレとお風呂はパステルカラーのタイルが主役。
ピンクタイルにあわせてあるのはブルーの漆喰壁です。
こんなにやさしい色使いの空間で温かいお湯につかれるなんて。
今日は1日こんなことがあったな、うれしかったな、反省しなきゃだなってぼんやり思い返すんだきっと。
洗面とお風呂がひとまとめということは、脱衣もここでするか、お風呂前の廊下空間になるのかな。
ペールブルーが落ち着くトイレ。
コンパクトな空間だけど窓からの光のおかげで窮屈さを感じない。
照明を替えるだけでも、ぐぐっと雰囲気が変わる気がする。
打って変わって、2階は和の部屋。
4部屋もあるもんだから、ちょっとした民泊ができてしまいそう。
友人家族や親戚が泊まりに来ても、どうぞどうぞと案内できて遠慮もいらなさそうです。
派手さはないけれど、旅館のような凛とした雰囲気。
窓から見えるのは見晴らしの良い景色。風通しも最高にいい。
わざわざお布団を敷いて、ぐっすり寝たい。
この家では朝日が目覚まし代わりになるんだろうな。
寝ぼけ眼に爽やかな光と風。
布団からでたくなくて丸まっていたら、どこからかすずめのさえずりなんかも聞こえてきたりして。
ああ、いいな。すごくほっとする。
それに見てよ、このバルコニー。
なにしよう?どう遊ぼう?
水栓も完備してるんだもの。
グリーンをたくさん育ててベランダガーデニングしようか。
それとも小さなテントをたてて、チェアやハンモックも置いて、アウトドアしちゃおうか。
夏はプール開きなんてしちゃったりさ!
2階のお手洗いは和式。
洗面とセットで昭和のときめきがある。
まず、それぞれの扉にあてられた2枚の古ガラス。
きらきらの銀河柄と可憐なばら柄。うっとりしちゃう。
洗面台のクロスはイエロー×グリーンのビタミンカラーがあしらわれてる。
白のデイジーの周りを埋め尽くす小花の柄も凝っていて感心するなあ。
(昭和のファッションとして、この総柄ノースリーブシャツがきっとあったはず。すき。)
間取り図はこちら。あらためて見ても、なかなかに広い。
この家から5分ほど歩けば山口市の商店街にたどり着きます。
買い物も食事もこんなに近くて困らない立地がどれだけありがたいか。
不自由のない街中生活が見える、見えるぞ。