この週末は山口市で完成見学会を開催させていただきました。
初雪が降りお足元の悪い時間帯もございましたが、お越し下さった皆さま誠にありがとうございました。
そしてこの度のお住まいをひらいてくださったお施主さま、お力添えいただいた近隣の皆さまに厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
民俗学の柳田國男さんが提唱した概念に“ハレ”と“ケ”があります。
ハレの非日常、ケの日常。
私たちは古くからそのふたつの場を行き来し、暮らしや心の在り方に深く根付いてきました。
それは日本家屋の造りからも見てとれます。
来客や特別な行事などでもてなす座敷や客間はお客様に重きをおく構造です。
明治時代以降は、家の中心が家族になったことに伴いハレとケは曖昧になりました。
家づくりも個が主役となりましたが、暮らしの幅を広げ、普遍的な豊かさに気付く種になったのではないでしょうか。
この度の計画では家づくりの起点を見つめ直すことからはじめました。
ケである家族の居場所を守りながらも、もてなす心が宿るハレの空間。
その視点を現代の家に調和するようデザインしています。
例えば玄関廊下から始まる高揚感、天井の水平を意識した開放感、庭を引き込む住居空間の寛ぎ、坪庭とお風呂の一体感など。
ハレとケを明確に行き来する要素を取り入れご提案させていただいています。
暮らしも生き方も柔軟に多様化する今、このようなアプローチも一つの選択肢になると思っていただけたのなら嬉しいです。
年内の完成見学会はこれにて終了となります。
次回は新年1月、宇部市にて新築住宅の完成見学会を予定しています。
またwebsiteやSNSなどを通じてご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。