昭和62年建築、80年代バブル期のマンション。
その名も「シティハイツ琴芝」。
シティの名前のとおり、ここは街中にあたる商業地域エリアです。
しかもメイン道路に沿った立地。
市役所や文化施設、学校などがぎゅっと集まることからも、便利な生活を望む方にはきっと暮らしやすい地域のはず。
この時代の建物っていかにもな“バブリ~”が多い印象なのですが。
(例えばネーミングやフォント、庭木の種類、装飾デザインなどから)
この落ち着いた雰囲気、ちょっと気になってしまうな。
エレベーターホールには半円型の出窓があって。
二列で並ぶスタンダードな出窓もときめくけれど、装飾テントを想起させるこのアール壁が良いんですよね……。
外観で判断するに、この黒寄りに塗り直されたグレーの差し色がポイントなのでしょう。
些細ですがこういうところにオーナーさんのセンスを感じてしまいます。
ソテツたちが良い味をだしてるアプローチ。
どっしり構えたこの造りも相まってリゾート地のホテルみたい。
ど真ん中にスロープが敷かれてるのは、階段の上り下りが難しい方や車椅子の方などでも利用できるようにということかな。
監視カメラもついていてセキュリティも信頼がおけそう。
エントランス脇の駐輪スペースは共有のよう。
さしかけが新しめなのも、お!と思っちゃいますよね。
エントランスは間口が広くて、風通しが良い。
1枚目に映る左奥の扉はマンション裏手の駐車場スペースと階段(写真2枚目)に繋がっていました。
手前に見える赤い扉のエレベーターを使ってさっそく6階へ。
さっき外から見ていたエレベーターホールはこんな雰囲気。
出窓の格子とアールの壁があいまって絵画みたいな風景なんです。
開放廊下。右に見える白いでっぱりは階段です。
玄関の落ち着いたタイルとドアの組み合わせ、いいですねえ。
さて、お邪魔する前に間取りを確認しましょうか。
3LDK+バルコニー。マンションのスタンダードな間取りです。
白いタイルキッチンに、白い壁のリビング。そして草木色の和室。
バブリ~を想像していたのに、このノーマルな感じ。
ギャップに動揺してしまう…!
どこか窮屈さを感じてしまう方は間取りの工夫が必要そうです。
例えばLDKのこのガラス障子を外すだけでも開放感がでてくるはず。
でも、和室(6帖)と接する白壁を取り払って、LDKをつなげたら一気にひらけた空間へ様変わりするに違いない。
それから照明やカーテン、壁紙などを好きなプロダクトのものに変えさえすれば。
ああ、もうこれは好みの部屋になるんじゃない?
ベランダの眺めは街中にもかかわらず、思いのほかひらけた風景。
奥の方には工場群の煙突が。目の前には小学校も見えます。
陽当たり良好なのも嬉しい。
このときの時刻は16時。夜明けや日暮れはどんな表情を楽しめるのかな。
わあ!と気になったのはキッチンにあったこのふたつ。
三菱電機 (MITSUBISHI) の旧型レンジフードファン。
配色といいデザインといいスマートで素敵です。まだまだ現役ですって!
そしてこの蜘蛛みたいな小さなフック。
おそらく布巾とかちょっとしたものをひっかけるのだと思うのですが、もっといい使い方はないか……そう考えていましたが、ひとつのアイデアがうかびました。
窓のないキッチンなので、調理時に手元を照らす照明が必要になってくると思うんです。
吊るすとかわいいソケットコードなどを選べば、必然的にコードをひっかるフックとして大活躍するかもとにらんでます。
白いタイルも感じがいいし、もしキッチンを取り換えずに使い続けるのならば。
色が黄ばみつつある収納戸は思い切って木張りにしてしまうのはどうでしょう。
吊戸棚はオープンタイプにして、取っ手のつまみもお気に入りのものをセレクトしたりして……!
ちなみに背後にあるドアホンは声オンリー。
呼び出し音を大・小で設定できるようですよ。
洗面脱衣の間仕切りはアコーディオンカーテンです。
気になる方は造作戸をつけてみてもいいし、お気に入りの布カーテンに替えるのもありかも。
床のクッションフロアはレトロ柄。
ゆったり広めだから、意外とここで過ごす時間も好きになれるかもしれないなぁなんて。
工夫次第では部屋干しスペースを確保できそう。
トイレはフラミンゴみたいなピンクカラー。
ノーマルが続く中、まさかここで「かわいい」と出会うとは。
こちらは洋室とふたつめの和室。
どちらもきれいなので大掛かりなリフォーム・リノベは必要なさそう。
が、壁紙など自分好みに替えられる余白がたっぷりあるという視点でみると魅力的だなあ……!
この物件の空間に対する自由度の高さ、素直に憧れています。
言わばまっしろなキャンバスですよね。
だって厄介そうなところがないのだもの。
もし手を加えるならどんな間取りで、どんなテイストで、どんな素材を使おうか。
そんな妄想がむくむく膨らんじゃう。
自分好みのリノベーションを楽しみ尽くす暮らしが叶いそうです。